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「AIで変わる 人的資本経営」をテーマとするビジネスカンファレンス 「Labor force solution Conference dip 2023」開催いたしました
ディップ株式会社(以下「当社」)は、「AIで変わる 人的資本経営」をテーマとするビジネスカンファレンス「Labor force solution Conference dip 2023」(以下「本カンファレンス」)を10月24日(火)に開催いたしました。
※当日の映像はこちらからご確認いただけます。( https://youtu.be/fJ9q3mBWsq4)
人手不足が危機的状況であると冒頭に述べた冨田は、「これまで人手不足という問題は景気に大きく左右されていましたが、今では構造的な問題となっている。2040年には1,100万人の労働力が不足し、約半数の中小企業が倒産や事業縮小に追い込まれてしまうとも言われている。」と話しました。さらに、「人手不足が深刻化する中で、これからは多様な年代、国籍、バックグラウンドを持った方々が活き活きと働けるように、待遇を引き上げながら、少しでも長く働いてもらう、そういった企業が生き残っていくのではないでしょうか。」と述べ、「人がやらなくても良い仕事はAIやテクノロジーの力に任せ、人がすべき仕事のみに集中してもらう。それが待遇を上げる・人手不足を解消することにおいても、非常に重要になってくると思います。」とAIの活用、DXの必要性を訴え、そのソリューションを提供していきたいと開会の挨拶を締めくくりました。
Speaker:松尾 豊 氏(東京大学大学院工学系研究科 教授 内閣府「AI戦略会議」座長)
Speaker:志立 正嗣(ディップ株式会社 代表取締役COO)
Moderator:馬渕 邦美 氏(一般社団法人 Metaverse Japan共同代表理事
トークセッション①では、生成AIの専門家である馬渕氏がモデレーターを務め、当社が昨年より新たに開発している対話型AIを活用した「AIエージェント事業」や、AI時代における新たな働き方についてディスカッションされました。
当社が開発する「AIエージェント事業」は、求職者の性格や特性、「こんな仕事をしてみたい」「こんな職場で働きたい」という潜在的なニーズをAIが対話の中から引き出し、企業とマッチングする仕組みであると志立から紹介されました。また、「企業側にとっても、働いてみたら違ったという早期離職のリスクを軽減し、定着率を大幅に高める可能性がある」と期待を込めました。「AIの効果的な運用には、学習させるためのデータの量・品質が非常に重要であり、当社が保有する多くの求職者データと、3,000人の営業体制で蓄積される正確かつ豊富な企業側のデータ蓄積が強みとなる。また、AI研究の第一人者である松尾氏とタッグを組んでいることも、サービス開発の大きな鍵となっている」と伝えました。
同サービスの開発に携わっている松尾氏は、「AIの登場はインターネットが生まれた時よりも大きな変化や影響を与える可能性がある。特にこれまで定量化できず属人化していた採用の領域において、AIがマッチングの一端を高い精度で担うことで、人間の力を解放できる力を持っている」と大きな期待を込めました。
また、ディップの6割以上の社員が日常的にAIを活用するようになっていると志立から具体的事例を交えた話があり、松尾氏からは、「これから全ての企業で起こるであろう変化を先取りしている。これからの仕事は、AIと人で、今までと違う業務分担になっていくのは、まず間違いないことだ。現在、いろいろな業務・産業領域で開発が進んでおり、これが半年後、1年後に色々なプロダクトの形になって出てくる。その時には、気づかないうちにAIを使っている状態になってくる。そこを先回りしていかないといけない。社内でAIに詳しい人がリーダーシップを取ってディスカッションをしていくなど、社内全体のそういった意識を高めていくことが重要。」といった見解を述べられました。
▼トークセッション②:「dip ワークプレイス診断」で明らかになった「人が集まる&定着する職場」のキーポイント
Speaker:服部 泰宏 氏(神戸大学大学院経営学研究科 教授)
Moderator:鬼頭 伸彰(ディップ株式会社 CHO 兼 ディップ総合研究所所長)
トークセッション②では、「dip ワークプレイス診断」という有期雇用者を対象とした職場診断ツールを試験的に実施した結果をもとに、「人が集まる&定着する職場」のキーポイントについて服部氏と当社CHOの鬼頭から紹介されました。
正社員と比較して仕事を変える回数が多い有期雇用者にとっての「良い職場」をつくるには、自社の視点だけではなく、他社を含む全体の平均値と比較してどこが優れているか、課題は何かを把握することが重要だと開発された「dip ワークプレイス診断」。本サーベイはディップが蓄積してきた大量の求人原稿データを基盤としており、自社と他社の結果を比較し分析できるのが大きな特徴となっています。
またこの結果から、有期雇用の方が正社員と大きく変わらない「期待」を持っていることが分かり、その因子が10個にまとめられ、その中から「仕事のしやすさ」「貢献実感」「福利厚生の充実」などについて解説されました。
ともに研究に携わっている服部氏からは、本サーベイの基本理念となった「心理的契約」について紹介されました。心理的契約とは、働き手と会社の相互期待を意味しており、法律的な契約書だけではなく、心の中で思っている「この会社に期待できるな」という「心理的な期待」を捉えているものだといいます。また、働き続けたいと思える職場は、「そこにい続けたいという意思」と「感情的に愛着を持っている」の2つの因子が起因しており、エンゲージメントは比較的短期的に変動していくものであるのに対し、感情的愛情はもう少し安定しているものだと捉えていると服部氏は説明しました。
鬼頭は、働き続けたいと考える人が多い職場と少ない職場の差には、「経営方針・理念の共有」「成長につながる仕事かどうか」「フィードバック」が賃金などの条件と同様に重要な因子であることが分かったとし、来年を目途に、「dip ワークプレイス診断」を顧客企業に利用してもらえるよう展開予定だと述べました。
Speaker:三村 亮介 氏(株式会社JR東日本テクノハート TESSEI 代表取締役社長)
Speaker:池田 大樹 氏(株式会社一家ダイニングプロジェクト 取締役 飲食事業本部長)
Moderator:島田 由香 氏(株式会社YeeY 共同創業者/代表取締役)
企業事例セッションでは、人事・組織コンサルティング、ウェルビーイングのプロフェッショナルである島田氏がモデレーターを務め、JR東日本テクノハート TESSEI様と一家ダイニングプロジェクト様の事例が紹介されました。
「7分間の奇跡」で知られる新幹線清掃を行うJR東日本テクノハート TESSEIの三村氏は、創業71年を迎える自社がここ20年前後で大きく変わったと紹介しました。もともと清掃業は3Kのイメージが強く、鉄道に関わる仕事ということもあり、ルールを厳守することを徹底していました。しかしながら、従業員のモチベーションなどに大きな課題が生じたことから、清掃業からサービス業へと従業員の意識変革に挑み、従業員が主体的にさまざまな取り組みができる環境づくりを推進。「互いを認め合う」を合言葉に、小さな工夫や心配りなど、コツコツとした頑張りを従業員同士で認め合う仕組みを導入したことにより職場の雰囲気も一変。現在も社長自らが現場に顔を出し、些細な会話をすることを大切にしており、現場従業員が本社を訪れた際には、誰もが手を止めて挨拶をするなど小さなことを継続し信頼関係を構築していると話しました。今では年齢や国籍にとらわれず、社員が自ら発案した取り組みが活発に行われる風土であることを語りました。
また、「屋台屋 博多劇場」でお馴染みの一家ダイニングプロジェクト 池田氏は、現場の従業員が主体的に行動するようになるためには、主体的に行動する店長の育成が鍵だと語りました。そのために店長には裁量権を持ってもらい、月に1度アルバイトスタッフ全員が集まる店舗ミーティングや店長会議などでも、何を話すか・どう伝えるかを自由に考えてもらっていると言います。事例としてVTRに登場した柏店では、「理念を軸に話し合う」「ともに考える」「感性を活かす」マネジメントを実行する様子が紹介されました。
三村氏は、AIなどの新技術を柔軟に取り入れつつも、お客さまに様々な付加価値を提供する現場のはやはり従業員であること、彼らこそがやりがいを持ち続けられる職場にしていきたいと語り、池田氏は、テクノロジーは便利ですごいものだが、「ありがとう」という感情を生み出せるのは人であると語り、これからも人ならではの力を引き出し、勝負していきたいと話しました。最後に島田氏は、正社員・有期雇用など雇用形態の違いに関わらず、常に「人」が一番大切で、それが企業にとってすべての源泉。どのような方も主体的に働いて喜びを感じる職場づくりのヒントが、たくさんあったのではないかと締めくくりました。
「弊社がインターネットの求人サービスを開始したのが23年前。当時インターネットの普及率が3割程度で、インターネットから応募される方は…と懸念されることも多くありました。そしてスマホのサービスを開始したのが13年前。スマホの普及率は1割程度で、その時もスマホからくる応募者は…といった反応をたくさんいただきました。しかし今となっては当たり前、なくてはならない存在になっています。
本日お話させていただいたAIやDX。何年後に当たり前になっているでしょうか。もう目前にきているのではと考えています。われわれの役割は、皆さまの背中を押すことです。皆さんと一緒に、便利で豊かなお仕事をたくさんつくっていきたいと思います。」と、来場・視聴者の方々へ感謝を述べ、閉会の挨拶を締めくくりました。
▼本カンファレンス概要
・カンファレンス名:「Labor force solution Conference dip 2023 -AIで変わる人的資本経営-」
・日時:2023年10月24日(火)14:00~16:30
・開催方法:会場・オンライン配信のハイブリット開催
・参加費:無料
・主催:ディップ株式会社
・特設ページ:https://www.baitoru.com/solution/conference/2023/
当社概要
労働市場における諸課題を解決し、誰もが働く喜びと幸せを感じられる社会の実現を目指す“Labor force solution company”をビジョンに掲げ、人材サービス事業とDX事業を運営しています。企業理念「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在となる」のもと、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
社 名:ディップ株式会社(dip Corporation)
代 表: 冨田 英揮(代表取締役社長 兼CEO )
本 社:東京都港区六本木3-2-1 六本木グランドタワー31F
電 話:03-5114-1177(代表)
設 立:1997年3月
資本金:1,085百万円 (2023年2月末現在)
従業員数:2,925名(2023年4月1日現在の正社員)※契約・アルバイト・派遣社員除く
事業内容:求人情報サイト「バイトル」「バイトルNEXT」「バイトルPRO」「はたらこねっと」看護師転職支援サービス「ナースではたらこ」などの運営、DXサービス「コボット」の開発・提供、他
上場証券取引所:東京証券取引所(プライム市場)
売上高: 493億円(2023年2月期)
URL:https://www.dip-net.co.jp/
【本リリースに関するお問合せ先】
ディップ株式会社 広報部
TEL 03-6628-4070
e-mail:info@dip-net.co.jp
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